正しい日焼け止めの選び方をご存じですか?肌を紫外線ダメージから守るためには、目的にあった日焼け止めを使わなければいけません。
この記事では、米国皮膚科学会が推奨している正しい日焼け止めの選び方を紹介します。アメリカでは、国民の5人にひとりは紫外線が原因の皮膚ガンに悩まされているといわれています。そのため、少しでも紫外線による皮膚ガンを防ぐために、正しい日焼け止めの選び方の周知が進められているんですよ。
この記事を参考に専門家がオススメしているポイントを意識して、正しい日焼け止めを選んでみましょう。
2種類の紫外線を防ぐ日焼け止めを選ぶ
日焼け止めを選ぶ際には、UVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)の2つを同時に防げる日焼け止めを選ぶことが大切です。
- UVA(紫外線A波):生活紫外線と呼ばれており肌を黒くしシワやたるみの原因になる
- UVB(紫外線B波):レジャー紫外線と呼ばれており肌を炎症させ、シミや色素沈着の原因になる
UVA(紫外線A波)は、地上に降り注いでいる紫外線の9割を占めています。たとえ屋内にいても、窓ガラスなどをすり抜けてしまうので常に注意が必要です。
一方UVB(紫外線B波)は、短時間でも肌にダメージを与えてしまいます。つまり、肌が真っ赤になってしまう、いわゆる「サンバーン」を引き起こす主な原因となるのです。
この2つの紫外線を防ぐ日焼け止めを使うことで、シミやシワなどのほか、皮膚がんというおそろしい病気を予防することができます。
皮膚の悪性黒色腫
では実際に商品を選ぶ際には、どのようなものを選べばよいのでしょうか?ポイントは、「PA」と「SPF」の表示です。
「PA」と「SPF」って何?
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「PA」とは
「SPF」とは
SPFが50以上だと、肌が紫外線に弱い人にとってもUVBを防ぐ効果が期待できるため、「SPF50+」という表示になります。
米国皮膚科学会推奨の選び方とは?
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SPF30以上の日焼け止めを選ぶ
しっかりと紫外線を防げる日焼け止めを選ぶためには、
一日の大半を屋内で過ごし通勤や買い出しの際だけ、屋外でに出るような方の場合は、SPF30程度でも肌を保護できます。
真夏の海水浴など、直射日光を浴びてしまうレジャーシーンでは、SPF30〜50+は必要になると覚えておきましょう。
SPFが高くなるほど肌への不安も少なからず増える
SPFの強い日焼け止めはは紫外線から肌を守ってくれます。しかし、同時に紫外線を防ぐための成分量も増えるため、少なからず肌への負担も増えてしまいます。
そのため、毎日の日常使いにSPF50+のような強い日焼け止めを使い続けてしまうと、肌へのダメージが大きくなってしまいます。
自分の肌状態と、日焼け止め利用シーンを見極めて、適したSPF値の日焼け止めを選んでくださいね。
PAもシーンに合わせよう
PAもシーンに合わせて選んでいきましょう。直射日光をよく浴びるレジャーシーンでは「PA++++」を満たすものを、通勤や買い出しなどの場合は「PA++」で十分でしょう。
自分に適した日焼け止めを選ぶためには、日光を浴びている時間や紫外線の強さ、そして利用シーンに合わせて適したSPF・PAの日焼け止めを選ぶことが大切ですよ。
アメリカでは「Broad Spectrum」表示
日本製品の中から、2種類の紫外線を防いでくれる日焼け止めを選ぶためには「SPF」と「PA」表示を気にする必要があります。しかし、アメリカの日焼け止めには「PA」表示がありません。
アメリカでは「Broad Spectrum」(広域スペクトル)という表し方をしています。この表示がある日焼け止めは、UVAとUVBの両方を防げる日焼け止めという意味になります。
「PA」表示の代わりに、「Broad Spectrum」もしくは「Broad Peotection」という表示を探してみてくださいね。
ウォータプルーフの日焼け止めを選ぶ
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また米国皮膚科学会は、耐水性があるウォータープルーフの日焼け止めを推奨しています。
肌を紫外線から守るためには、SPF値とPA値だけではなく
肌に塗った日焼け止めは、汗や皮脂によって時間経過とともに落ちてしまいます。とくに、日差しが強い夏場は、汗を拭う際の摩擦によって効果も半減してしまいます。
どんなに効果の高い日焼け止めを塗っていても、気づかないうちに落ちてしまっては紫外線を防げませんよね。
ウォータープルーフの日焼け止めを選べば、汗や皮脂などで日焼け止めが流れ落ちるのを防ぐことができます。
ウォータープルーフの日焼け止めは、海水浴などのレジャーシーンのみで活躍してくれるイメージですね。しかし、それに加えて汗水などからも守り持続効果が期待できると覚えておきましょう。
自分の肌の状態にあったものを選ぼう
これまでのおさらいですが、米国皮膚科学会がおすすめする日焼け止めの基本の条件は以下のようになります。
SPF30以上 「Broad Spectrum」表示 (日本では「PA+」以上の表示 )ウォータープルーフのもの
そのほかに気を付けたい点として、
上の基本の条件を満たすもので、かつ自分の肌の状態や部位に適した日焼け止めを選ぶことが大事です。
米国皮膚科学会がおすすめする、それぞれの肌に応じた日焼け止めのタイプをいくつかご紹介します。
敏感肌
「敏感肌用」とあるものが良いでしょう。また、香料、パラベン、オキシベンゾンが含まれるものは避けましょう。
乾燥肌
「保湿」や「乾燥肌用」と書かれたものを探すとよいでしょう。
ニキビ肌・オイリー肌
「ノンコメドジェニック」や「毛穴に詰まりにくい」などが書いてあるものが良いでしょう。
唇
UVカットできるリップクリームを使用しましょう。
目の周り
スティックタイプのものが、垂れる心配もなく塗りやすいのでおすすめです。
おすすめの日焼け止めは?
これまで米国皮膚科学会が推奨する日焼け止めの条件をご説明しました。そのなかで、推奨の基準を満たすような日焼け止めをいくつかご紹介します。
ビオレ UV アスリズム
こちらはSPF50+、PA++++、スーパーウォータープルーフ(80分間の耐水試験で確認済み)の商品で、かつ保湿成分を含みニキビになりにくい処方がなされています。
高温多湿環境で落ちにくさを確認しているので、レジャーなどの環境下でも使うことができます。
アロベビー ウォータープルーフ UV ミルク
こちらは、まだ肌が弱い赤ちゃんや子どもに適した日焼け止めです。
SPF30、PA+++、ウォータープルーフという基本の条件を満たしながら、100%天然由来成分で肌に優しく守ることができます。もちろん敏感肌の方にもおすすめです。
Neutrogena Ultra Sheer Dry-Touch Sunscreen SPF 70
こちらは海外の商品です。Broad Spectrum、SPF70、ウォータープルーフという基本的な条件を満たします。
SPF値に関しては30から100以上のものも販売されているので、使用するシーンに合わせてSPF値を決めるとよいでしょう。
まとめ
この記事では、米国皮膚科学会の情報を参考にしたオススメの日焼け止めの選び方を紹介しました。
アメリカの日焼け止めを基準として発表されている内容なので、日本人に多い敏感肌などの肌質に適しているとは言い切れません。しかし、アメリカ国内での皮膚ガン防止目的の情報なので参考にしてみてくださいね。
紫外線から肌を守るためには、正しい日焼け止めを選ぶことが大切です。SPF値とPA値を参考にして、利用シーンに適した日焼け止めを選んでみてください。もちろん、効果が持続しやすいウォータープルーフタイプを選ぶことも忘れないでくださいね。
あなたも、自分にあった日焼け止めを選んで、紫外線による肌ダメージを軽減してみませんか?
監修者からのコメント
内科医
乳幼児の時期からの紫外線を浴びる量が多いほど、将来的な皮膚がんのリスクが高くなるとの報告もあり、子どもの頃からの紫外線対策が必要であることが分かります。だからといって紫外線を目の敵にして、いつでもどこでも紫外線を完全にカット、というのは健康に害を及ぼしかねません。ヒトは日光に当たらないとビタミンDの生成がうまくできないからです。ビタミンDは免疫力を高めたり、骨を上部に保つために重要なビタミンです。紫外線を浴びるデメリットと、日光を浴びるメリットを考慮して、うまく対策していけるとよいですね。