血清アミラーゼとは?検査結果からわかることや膵臓との関連について解説

血清アミラーゼとは?検査結果からわかることや膵臓との関連について解説

「血清アミラーゼ」という言葉を聞いたことがありますか?主に膵臓に関わる病気を発見する指標として、健康診断や人間ドックで検査される項目のひとつです。

この記事では、血清アミラーゼの検査でわかることや、膵臓の病気との関連について説明します。

血清アミラーゼと膵臓にはどんな関連があるの?

アミラーゼは、膵臓から分泌される膵液や、唾液腺から分泌される唾液などに含まれている消化酵素です。糖質を分解する働きがあり、私たちの体内で、食べ物の消化を助ける重要な働きをしています。

アミラーゼは、血液によって全身を巡り、最終的には尿と一緒に体外へ排出されます。この血中に含まれるアミラーゼの量を測定したものが「血清アミラーゼ」です。

血清アミラーゼには、膵臓から分泌される「膵型アミラーゼ」と、唾液腺から分泌される「唾液型アミラーゼ」の2種類があります。

健康診断や人間ドックなどで行われる、一般的な血液検査では、この2種類のアミラーゼを合わせて、血清アミラーゼとしています。

血清アミラーゼの検査でわかることは?

膵臓や唾液腺に何らかの異常が起こると、アミラーゼがうまく分泌できなくなったり、健康なときよりも多くのアミラーゼが血液や尿の中に流れ出てしまったりします。

そのため、血清アミラーゼは、膵臓や唾液腺に関わる病気を見つけるための指標として用いられているのです。

血清アミラーゼの基準値は、37〜125U/Lです。(検査機関によって異なります。)

血清アミラーゼの数値が変動する理由は?

血清アミラーゼが、高かったり低かったりするときには、さまざまな理由が考えられます。

血清アミラーゼが高くなるのはどんなとき?

血清アミラーゼが高いときには、以下のような理由が考えられます。

疑われる病気
  • 膵炎、膵臓がん、胆嚢炎、腸閉塞、消化管穿孔など(膵型アミラーゼが上昇)
  • 急性耳下腺炎(おたふくかぜ)、唾石症など(唾液型アミラーゼが上昇)

この他にも、通常より大きなアミラーゼをもつ体質のマクロアミラーゼ血症の人や、飲酒や脂質の多い食事をする頻度が高い人は、血清アミラーゼが高くなることがあります。

血清アミラーゼが低くなるのはどんなとき?

血清アミラーゼは、以下のような場合に低くなることがあります。

疑われる病気
  • 進行した慢性膵炎、肝硬変、重度の糖尿病、膵臓や唾液腺の摘出術後など

膵臓や唾液腺の機能が大幅に低下すると、アミラーゼの分泌量が減少するため、血清アミラーゼも低下します。

血清アミラーゼの数値が異常だったらどうすればいい?

血清アミラーゼの数値が高かったり低かったりした場合には、医師の診察や、より詳しい検査をして、原因を見つける必要があります。

唾液型アミラーゼが上昇する耳下腺炎などでは、口の中や喉の腫れ、痛みといった症状から、血清アミラーゼが上昇した原因を特定できることがあります。

症状から原因を特定できない場合には、膵型と唾液型のどちらのアミラーゼが上昇しているのかを調べたり、尿検査をして尿中のアミラーゼの量も調べたりします。必要に応じて腹部のCT撮影や、超音波検査などをすることもあるでしょう。

例えば、血清アミラーゼが上昇する原因のひとつである膵臓がんは、初期には無症状であることが多く、早期発見が難しい病気です。

血清アミラーゼが高いことがきっかけで、このような思いがけない病気が見つかることもありますので、持病や自覚症状の有無に関わらず、必ず精密検査を受けるようにしましょう

また、日頃から飲酒する習慣のある人や、脂肪分の多い食事を頻繁に摂取する習慣のある人は、血清アミラーゼが上昇しやすい傾向にあります。

再検査や精密検査で異常がなかった場合でも、この機会に生活習慣を見直すようにしましょう。

血清アミラーゼは膵臓の健康状態を反映している

血清アミラーゼは、主に膵臓の異常を早期発見するための、重要な検査項目です。飲酒や食事内容の影響を受ける検査ではありますが、結果に異常が見られた場合には、原因を特定するために医師の診察を受けるようにしましょう。

まとめ
  • 血清アミラーゼは膵臓の病気の存在を示してくれる重要な指標
  • 血清アミラーゼの値に異常があればすぐ医療機関へ!

参考文献

監修者からのコメント

内科医

アミラーゼと関連が強い疾患に膵炎があります。血清アミラーゼは膵炎を診断する際の参考になる数値ですが、血中に現れるピークが24~48時間とされているので、発症したばかりの急性期には上昇してこないことがあります。また、数値の大きさと重症度合いが必ずしも比例するわけではありません。病院で膵炎の診断を勧める時にはアミラーゼやリパーゼといった検査項目に加え、造影剤を使ったCT検査などを行い、総合的に判断されます。重症化すると治療も大変で致命的になることがありますので、強い腹痛の際には無理せず医療機関を受診しましょう。