【気づきにくい腎臓による不調】腎臓病を守るためにも生活習慣病予防

腎臓はやっぱり大事|みんなのヘルスケア

「腎臓ってどんな働きをしているか?」という質問に対してひと言で答えられる人はそう多くはいないのではないのでしょうか。実は目に見えないところで多くの仕事をしています。
本稿ではそんな腎臓が悪くなる原因と症状、予防方法をシンプルにお伝えします。

腎臓って何をしている臓器なの?

多様な働きを担っている腎臓

腎臓は尿を作ることで、体の老廃物を外に出す仕事をしているとよく耳にしますが、実はこれ以外にも腎臓の仕事は多く、目に見えないところで腎臓は非常に重要で多彩な働きをしています。

  • ◇ 老廃物や異物の排泄
  • ◇ 体の水分バランスのコントロール
  • ◇ 体内のミネラルのコントロール
  • ◇ 酸、アルカリのコントロール
  • ◇ ビタミンDの活性化(体内のカルシウムに関わるホルモン)
  • ◇ レニン産生(血圧に関わるホルモン)
  • ◇ エリスロポエチン産生(貧血に関わるホルモン)

腎臓が悪くなるとどうなるのか

腎臓が悪くなる原因

腎臓が悪くなる原因は様々です。腎臓自体の病気が原因のこともあれば、糖尿病や高血圧が原因で腎臓が悪くなることもあります。

腎臓は血管が非常に豊富で、血管のかたまりでできているといっても過言ではありません。ですので、動脈硬化を引き起こす、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病は腎臓に多大な悪影響を及ぼし、腎不全のリスク因子です。

ポイント

糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病は腎不全のリスク因子

腎臓が悪くなった際の症状や治療

腎臓自体の病気の場合、例えばネフローゼ症候群という疾患であれば、下腿や顔など全身のむくみが出現することで受診する方が多いのですが、動脈硬化を引き起こす生活習慣病が原因で腎臓が悪くなる場合は、初期にははっきりとした自覚症状がありません。ですので、採血などで腎機能が悪いと気が付いた時にはすでに相当悪くなっていることが少なくないのです。

ポイント

生活習慣病が原因の場合はなかなか気づきにくい!

治療に関してですが、腎臓自体の病気、例えばネフローゼ症候群や糸球体腎炎などでは、ステロイドという薬剤が良く使われます。副作用が怖いイメージがあるかもしれませんが、適切に副作用のコントロールを行った上で使用するので、心配する必要はありません。

一方で、動脈硬化を引き起こす生活習慣病が原因で腎臓が悪くなる場合は、該当するリスク因子のコントロールを行うことが非常に重要です。糖尿病がある場合は、血糖のコントロールを行うことが腎不全の予防につながります。基本的に、一度悪くなってしまった腎臓は元どおりになることはないため、生活習慣病、動脈硬化をコントロールすることがいかに重要であるかを理解頂けたら嬉しいです。

腎臓を守るには何を心がけたらいいのか

血圧、脂質、尿酸、血糖などをコントロールすることが重要

生活習慣病を予防することが何よりも重要です。糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病は単なる血糖値が高い、血圧が高い、コレステロールが高いではなく、今は無症状でも徐々に血管は蝕まれ、動脈硬化を引き起こし、将来的には脳梗塞、心筋梗塞、腎不全など怖い病気の原因になります。腎臓のみならず、怖い病気を予防するという観点からも血圧、脂質、尿酸、血糖などをコントロールすることが非常に重要です。

食事、運動療法について

塩分や脂質の制限、3食をバランスよく摂取し、間食を避け、肥満にならないようウォーキングなど適度な運動習慣を身につけることを心がけましょう。

参考文献